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水道コラム

茶人がこよなく愛する聖水

コラム

はじめに

名水百選とは?

市町村から推薦された784ヵ所の中から、環境庁により1985年に選定された100の名水です。日本全国に存在するきれいな水の中で、特に湧き水、地下水、川のように流れている水(表流水)について、学識経験者からなる検討会が選びました。そして、それらの名水を広く国民に紹介し、水についての認識を高め、普及させることを目標としています。

また、「水質、水量、周辺環境などが良い状態であること」と「周辺地域に住む人々によって大切に守られていること」という2つの条件のほかに、大きさや歴史などを調査して選ばれました。

その1[歴史]

イラスト:水無瀬神宮
後鳥羽上皇も親しんだ、神聖な水

後鳥羽上皇が造営された水無瀬離宮の周辺は、王朝時代には「水無瀬野」と呼ばれ貴族の別荘地として栄えていました。建保4年(1216)の暴風雨で離宮は流出しましたが、上皇に仕えていた水無瀬信成、親成親子が仁治2年(1240)その跡地に御影堂を建立しました。水無瀬神宮の歴史の始まりです。

「離宮の水」は水無瀬神宮の境内に湧き出る井戸水で、かつては後鳥羽上皇の離宮での日常生活に用いられていたと考えられています。御影堂建立後は、神に捧げる神聖な水として神餞(しんせん)に使われていましたが、のちの茶道の興隆で、茶の湯としても広く知れ渡るようになり、いつのころからか「離宮の水」と呼ばれるようになりました。

その2【いま】

イラスト:茶室「灯心亭」
茶の湯にも、ウイスキーの蒸留にも適したうまし水

境内に建つ江戸時代初期の茶室「灯心亭」は、現在、国の重要文化財に指定されています。ここでは今も、離宮の水を使った各家元の献茶会や月釜、茶道教室などが行われ、江戸時代から続く茶の文化が現代に継承されています。茶の湯に適した離宮の水は、またウイスキーづくりにも相性がよく、離宮の水と同じ水脈の水無瀬川の伏流水を利用したウイスキーの蒸留所では、科学的なデータを用いて製品づくりをしているそうです。

島本町の上水道も数年前までは同じ地下水でした。深さ40m~120mを流れる水無瀬川の伏流水を汲み上げて処理した水を使っていたそうですが、様々な理由から、現在では淀川の水を利用しているそうです。

その3[保存]

イラスト:手水舎
後世に伝え残したい、大切な命の水

離宮の水を守る活動も盛んです。地元の中学生たちが、水源地となる水無瀬川の上流域のゴミを集め環境保全に務めています。平成4年には、島本町が中心となって「離宮の水保存会」を発足。個人会員や町の職員の皆さんが定期的に清掃活動を行 い、名水の勉強会、水質検査、水量チェックなどを実施しています。生活水として使われてきた離宮の水に対する保存活動は、地元の人々の「守らなければならない水」という熱心な思いから自発的に生まれ、これからもずっと受け継がれていくことでしょう。

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