○阪神水道企業団職員職務発明規則

平成20年1月29日

規則第1号

(趣旨)

第1条 阪神水道企業団(以下「企業団」という。)の職員がその勤務に関してした発明、考案(実用新案法(昭和34年法律第123号)第2条第1項に規定する考案をいう。以下同じ。)及び意匠(意匠法(昭和34年法律第125号)第2条第1項に規定する意匠をいう。以下同じ。)の創作の取扱いについては、この規則の定めるところによる。

(定義)

第2条 この規則において「発明」とは、特許法(昭和34年法律第121号)第2条第1項に規定する発明をいう。

2 この規則において「職務発明」とは、職員がその勤務に関してした発明であって、その内容が企業長の権限に属する事務の範囲に属し、かつ、当該発明をするに至った行為が企業団における当該職員の現在又は過去の職務に属する場合のものをいう。

3 この規則において「発明者」とは、発明をした職員をいう。

4 この規則において「補償金」とは、特許法第35条第3項に規定する対価をいう。

(権利の帰属)

第3条 企業団は、職員の職務発明について、この規則の定めるところにより特許を受ける権利、特許権若しくは専用実施権を承継し、又は設定する。

(発明の届出)

第4条 職員は、その勤務に関して発明をしたときは、速やかに、その旨を当該発明の内容を記載した書類を添付し、企業長に届け出なければならない。

(発明の認定及び権利の承継又は設定の決定)

第5条 企業長は、前条の規定による届出があったときは、その届出に係る発明が職務発明であるかどうかを認定し、職務発明であると認定したときは、当該発明について特許を受ける権利、特許権若しくは専用実施権を企業団が承継し、又は設定するかどうかを決定する。

2 企業長は、職務発明でないと認定した発明について、発明者から特許を受ける権利、特許権若しくは専用実施権の譲渡又は設定の申出があったときは、当該権利を企業団が承継し、又は設定するかどうかを決定する。

(特許の出願)

第6条 企業長は、前条の規定により特許を受ける権利を企業団が承継すると決定した場合において、当該発明について特許の出願が行われていないときは、直ちに特許の出願を行うものとする。

2 企業長は、前項の場合において、次条第1項ただし書の規定により発明者が既に特許の出願を行っているときは、当該特許を受ける権利を企業団が承継する旨を特許庁長官に届け出るものとする。

(発明者の出願)

第7条 発明者は、第4条の規定による届出に係る発明について、企業長が第5条の規定により職務発明でないと認定し、又は特許を受ける権利を企業団が承継しないと決定した後でなければ、特許の出願を行ってはならない。ただし、職員以外の者と共同でした発明以外の発明について、緊急の場合その他やむを得ない事由がある場合は、この限りでない。

2 発明者は、前項ただし書の規定により特許の出願を行ったときは、速やかに、その旨を当該特許の出願に関する書類の写しを添付し、企業長に届け出なければならない。

(通知)

第8条 企業長は、第5条の規定による認定又は決定を行ったときは、速やかに、その旨を当該認定又は決定に係る発明者に対し文書で通知する。

(権利譲渡又は設定の義務)

第9条 発明者は、企業長が第5条の規定により特許を受ける権利、特許権若しくは専用実施権を企業団が承継し、又は設定すると決定したときは、その権利を企業団に譲渡し、又は設定しなければならない。

(第三者への権利譲渡又は設定に対する制限)

第10条 発明者は、企業長が第5条の規定により職務発明でないと認定し、若しくは特許を受ける権利、特許権若しくは専用実施権を企業団が承継し、又は設定しないと決定した後でなければ、特許を受ける権利、特許権若しくは専用実施権を第三者に譲渡し、又は設定してはならない。

(補償金)

第11条 企業団は、この規則の規定に基づいて発明者から特許を受ける権利を譲り受けて特許権を取得したとき、又は特許権を譲り受けたときは、当該発明者に対し、権利1件につき5,000円以内の補償金を支払う。

2 企業団は、この規則の規定に基づいて取得した特許権の運用又は処分により収入を得たときは、当該発明者に対し、毎年1月1日から12月31日までの間における収入実績に応じ、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める額以内の額の補償金を支払う。

(1) 企業団が当該特許権に係る発明の実施を第三者に許諾して実施料を得たとき 当該実施料の100分の50に相当する額

(2) 企業団が当該特許権を処分したとき 当該処分に係る代金の100分の50に相当する額

3 企業団は、この規則の規定に基づいて取得した特許権を企業団の業務のため実施したとき、又は前項の規定による額が適当でないと認めるときは、別に適当な補償金を支払うことができる。

4 第2項に定めるもののほか、企業団は、職務発明について収入を得たときは、当該職務発明をした発明者に対し、適当な額の補償金を支払うことができる。

5 第2項及び第3項の規定は、この規則の規定に基づいて企業団のため設定した専用実施権について準用する。

(発明者の負担した出願費用等の支払)

第12条 企業団は、この規則の規定に基づいて発明者から特許を受ける権利又は特許権を譲り受けた場合において、出願手数料、特許料その他出願及び登録等に要する費用のうち発明者が既に支出したものがあるときは、その支出した費用の範囲内で必要と認める額を当該発明者に支払う。

(共同発明者に対する補償)

第13条 第11条の規定による補償金は、当該補償金を受ける権利を有する発明者が2人以上あるときは、それぞれの持分に応じて支払う。

(退職又は死亡したときの補償金等)

第14条 第11条の規定による補償金及び第12条の規定による費用の支払を受ける権利は、当該権利を有する発明者が退職した後も存続する。

2 前項の権利を有する発明者が死亡したときは、当該権利は、その相続人が承継する。

(職務発明審査会)

第15条 第16条第2項の規定による諮問に応じて発明者の異議の申立てについて調査審議するため、阪神水道企業団職員職務発明審査会(以下「審査会」という。)を置く。

2 審査会は、企業長が任命する委員長及び委員若干人をもって組織する。

3 委員長にあっては、総務部長をもって充て、委員若干人のうち1人にあっては、水道技術管理者をもって充てる。

4 委員長は、会務を総理し、会議の議長となる。

5 委員長に事故があるときは、あらかじめ委員長の指名した委員が、その職務を代理する。

6 審査会は、その審査のため必要があると認めるときは、関係職員に対し、その出席を求め、又は資料の提出を求めることができる。

7 審査会の庶務は、総務部財務課において行う。

(一部改正〔平成20年規則第4号、平成30年規則第5号〕)

8 前7項に規定するもののほか、審査会の運営に関し必要な事項は、委員長が定める。

(令6規則3・一部改正)

(異議の申立て)

第16条 発明者は、第5条の規定による職務発明の認定及び特許を受ける権利、特許権若しくは専用実施権の承継又は設定の決定並びに第11条の規定による補償金及び第12条の規定による費用の額に対して異議があるときは、第8条の規定による通知を受けた日又は第11条の規定による補償金若しくは第12条の規定による費用の支払を受けた日から30日以内に、企業長に対し、文書で異議の申立てをすることができる。

2 企業長は、前項の申立てを受けたときは、審査会の意見を聴いた上、当該申立てに対する決定を行い、その結果を当該申立てを行った者に通知する。

(秘密の保持)

第17条 発明者、所属の長、審査会の審議に参加した者その他職務上当該発明に関係のある者は、発明の内容その他発明者及び企業団の利害に関係のある事項については、当該発明の出願が受理されるまで、その秘密を守らなければならない。

(考案及び意匠の創作についての準用)

第18条 この規則の規定は、職員がした考案及び意匠の創作について準用する。この場合において、第11条第1項中「5,000円」とあるのは「2,500円」と読み替えるものとする。

(施行の細目)

第19条 この規則の施行に関し必要な事項は、企業長が定める。

この規則は、公布の日から施行する。

(平成20年4月1日規則第4号)

(施行期日)

1 この規則は、平成20年4月1日から施行する。

(平成30年3月30日規則第5号)

この規則は、平成30年4月1日から施行する。

(令和6年3月29日規則第3号)

この規則は、令和6年4月1日から施行する。

阪神水道企業団職員職務発明規則

平成20年1月29日 規則第1号

(令和6年4月1日施行)