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阪神水道企業団の国際貢献

(ミャンマーへのJICA長期専門家派遣:総務部長 長塩大司)

水道管を工事している様子の写真

私は、2002年9月から2年間、JICA長期専門家としてミャンマー国ヤンゴン市に派遣されました。個別専門家といわれる立場で、ヤンゴン市の水道を担っているヤンゴン市開発委員会(YCDC)の水道衛生局に一人派遣され、職員と一緒になって活動しました。私のミッションは、水道計画で、YCDCがヤンゴン市の水道を計画的に整備するための能力を向上させることでした。

長塩大司氏が講演を行っている様子の写真

当時、ヤンゴン市は、ミャンマーの首都であり、人口は400万人程度、東南アジアの主要都市のひとつでした。しかしながら、軍事政権ということもあり先進国から経済制裁を受け、インフラの整備が遅れ、車など新しいものが入ってこない状況でした。

水道も、戦前にイギリスが植民地として統治していたころに建設された水源、管路が中心選手として現役で頑張っているような状況でした。人口がどんどんと増加しているにもかかわらず、ほとんど新たな投資がなく、水量、水質ともに不足している状況で、水道の普及率は非常に低く、水系感染症の罹患率は非常に高い状況でありました。

ヤンゴン市開発委員会の会議の様子の写真

専門家として派遣された私にYCDCは執務室を市庁舎内に用意し、スタッフとして2名の優秀な技術者を配置してくれました。カウンターパートは副部長でしたが、常時は彼らとともに行動しました。活動は、まず、ヤンゴン市の水道施設の状況を把握し、課題を整理して、それを改善するアクションプランを作成することから始めます。その後、アクションプランに基づき活動を行いますが、機材としてポータブルの流量計、漏水調査機器等を調達し、水道計画に必要となる基礎データの収集を中心に活動しました。また、水使用動向調査を行うため、YCDC職員と水道を使用している全世帯にヒアリング調査を行ったことは苦労もありましたが、たくさんの職員や市民と接触するいい機会となりました。

長塩大司氏がヤンゴン市長から感謝状を授与されている様子の写真

海外での活動では、まずその地域の習慣や思考を理解することが重要です。半年ぐらいたつとある程度理解したという感覚がありましたが、それ以降も新たな発見が随時ありました。彼らが私に見せている面が全てではなく、信頼を得ることによって新たな面を見せてくれるようになります。海外で活動する場合、この信頼を得ることが成果に直結すると認識し、そのためには、一定以上の共有する時間が必要で、真摯に付き合っていくことが不可欠であると気付きました。

長塩大司氏がヤンゴン市職員に指導している様子の写真

ヤンゴン市での活動は、私にとって水道の基本を考え直す、いい機会になりました。現在、日本の水道は岐路にあると言われますが、水道の将来を考える上で原点を正しく認識することにより、正しい判断ができるものと考えています。また、見知らぬ土地で一緒に暮らすことで家族の絆は強くなりましたし、なにより私のヤンゴンでの仕事や生活を支えてくれたYCDC職員やミャンマーの友人のたくさんの笑顔は、今でも私の大きなエネルギー源となっています。

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